第一印象が決める患者との関係

勤務先で患者と効率的で効果的な会話を行えるようにするのは、看護師にとって不可欠なことである。しかし、なかなか信頼してもらえずに苦労することはよくあるだろう。信頼が得られなければ、いくら丁寧に闘病生活のアドバイスをしても聞き入れてもらえなかったり、何を聞いても正直に答えてくれないことにもなりかねない。

そのため、信頼関係の樹立に苦労しているのなら、まず第一印象を良くする工夫から始めてほしい。第一印象がマイナスだと、それが影響して患者の態度を悪くしている可能性があるからだ。現場で働いていると、ついつい難しい専門用語を使ってしまったり、強い口調で話してしまっていることがあるかもしれない。最初はたどたどしかったとしても、先輩の話す様子を見て学ぶことにより、良い点は自分も見習うようにしよう。

また、話し方以外にも、既に看護師に対する印象が決まってしまっていることがある。特に重要視しておきたいのは身だしなみと気遣いだ。清潔感のある服装を心がけるように指示されたり、制服がきっちりと決まっていて変えられなかったりする場合はよくある。しかし、髪型やメイクなどの些細に感じられることだけで印象が大きく変化し、信頼できるかどうかの判断基準になれている場合は以外に多い。また、最初に会ったときの会話などから気遣いがあるかどうかを察して、態度を決めてしまう患者もいる。

そこで、些細なことでも構わないので、患者の変化に気がついたときには、それを口に出してみてほしい。細かなところまで見て気遣いをしているという印象を与えることができれば、「この人は自分を見ていてくれる」と心を開き、信頼されるようになることは少なくない。看護師が患者との信頼関係を築くためにはコツがあるので、少しずつその術学び、実践していくことが大切だ。